抵当権の付いたままで売買
■□相談内容
抵当権のついたままで家を売ろうと思います。
私の経済的な事情で売ろうとしていたのですが、
なかなか売れず困っていたところ、知人から話しがありました。
知人の意図はよくわかりませんが、借り入れが難しい様子です。
当然、私と銀行との間の契約に違反していると思いますが、
いずれ競売となれば条件は悪くなります。知人が所有権をもって、
支払いを肩代わりすることで話がつきました。
知人が支払いを滞れば、競売になりますし、
私は当面の債務の支払いができ助かります。
銀行に事情を話して協力を求めるのが筋だと思いますが、
それとなく打診したところ意に介する様子ではありませんでした。
売買額は総額2000万、抵当権残債は1300万、差額700万が現金です。
いざ、決済となって、刑法犯罪とならないか不安です。
こう言う事例はありますか?
□■アドバイス:1
ご相談の件ですが、当事者間(相談者さん-お友達)で
勝手に所有権移転登記をするのはマズイと思います。
又、仮に強行突破しようにも
実務上そのような登記を引受けてくれる司法書士を
見つける方が更に難しいような気がします。
よっぽどのコネでもない限り、そのような状況を承知の上で
登記代行に応じる司法書士はいないのでは? という事です。
もっとも自力で登記をするなら別ですが・・・
違う方法を検討される事をお勧めします。
(藤原浩行さん)
□■アドバイス:2
>抵当権のついたままで家を売ろうと思います。
これは、かなりむずかしいでしょうね・・・
それに、あまり聞かない話ですし・・・
友人が、支払いを肩代わりするなら、
あなたと、友人の間での、取り決めですが、
それを、銀行に言うか言わないかは、あなた自身です。
ただ、それが、銀行にばれれば、
金銭消費貸借契約違反になるのは、目に見えてる話でしょうから、
それを、所有権移転登記までしてまうと、
よけい、ややこしい話になるでしょう。
また、所有権移転登記を済まさずに
友達が毎月の支払いを、肩代わりするとして、
友人がちゃんと支払いしてくれるって言う、保証もないですし。
逆に、支払いを飛ばされると、相談者さんのブラックリスト載りが
決定するでしょうから、それは、避けたいですよね・・・
友人と、あなたの今の取引銀行で、
融資してくれるかどうか、相談してみて、だめなら
今売買を依頼している、不動産業者と、相談してみては、いかがです?
融資の難しい方でも、不動産業者の取引銀行で、
融資してくれる銀行も有るように思いますが・・・
ただ、友人の収入も、一つの問題でしょうが。手数料の問題もあるでしょう。
でも、手数料をけちって、後でややこしくなるよりは、
手数料を払って、ちゃんとした手続きをしてる方が、
枕を高くして寝れる・・・とは思いますが・・・どうでしょうか?
(不動産のサンミ・月山さん)
□■アドバイス:3
個人間売買で友人が納得しているのならば基本的に問題ありません。
所有権は物件で、登記簿上の甲区に登記されます。
抵当権は質権で、登記簿の乙区に登記されています。
登記上の問題は無いと思います。
また、抵当権は、あくまで債権を担保するものですから、
金融機関も異議は出せないはずです。
但し、非常に危ない取引です。民法567条には
売買の目的物に抵当権が設定されている場合の規定があります。
分かり易く説明しますと、
★買主の善意悪意を問わず(抵当権の存在を知っていても)、
抵当権の実行により、買主が所有権を失った場合は、
契約は解除されると共に損害賠償を請求できる。
と規定されています。
実際には、友人が支払いを止めた時には、
友人にも過失が有るわけですから
損害賠償の請求は難しいとは思います。
しかし、売買物件に抵当権等の担保権がついている状態で売るのは、
権利に瑕疵が有る状態で売ると言う事です。
これは、将来買主が所有権を失う可能性が非常に高い取引です。
その事を承知して売ると言う事は、もし、もめて裁判等になった時に
相談者さんが、非常に不利な立場になると言う事です。
友人は、その事を承知しているのだと思います。
つまり、家賃代わりに銀行に返済して、
住むのが嫌になったら返済を止め、
権利に瑕疵の有る売買契約である事を理由に、売買契約の無効を訴える。
相談者さんは、受け取ったお金を全額戻さなければいけなくなり、
(場合によっては、買主が銀行に返済した分も戻す必要があります)
尚且つ、土地建物は銀行に取られる。
うーーん、泣きっ面に蜂の状態になりますね。
その友人はかなり法律特に民法に詳しい方だと思います。
あまり、常識を逸脱した売買契約はしない方が良いと思います。
手痛いしっぺ返しをくらう事になりますよ。
(高原開発・涌井さん)
■□相談者より
早速、ご意見ありがとうございました。
メールで全く問題無いという意見と、
大問題であると言う意見があって困っていました。
昨夕、友人と話しました。友人は、さほど、法律に詳しくなく、
先行き私が不安に抱くような考えはありませんでしたが、
よかれと思ってしたことが、いずれ思わぬ方向になってしまうのであれば
問題である、というのが統一見解です。
とりあえず止めておこうとなったのですが、
その後、近所に年配の司法書士の方がいて、酒席でご意見をと、なりました。
理論上問題はないという意見です。さらに、話しが盛り上がったのは、
抵当権の行使、つまり差押、競売の開始決定というのは、
なにも債権者だけが行使できる権利ではないというのです。
今回のケースが当てはまるものとして、
所有権や地上権などの明確な権利をもっていれば、
権利者が抵当権者を相手に任意の金額で
競売を申し立てることができるというのです。
これは、複雑すぎて、理解を超えています。おおげさに言えば、金融期間が、
金科玉条としている‘担保‘は絵空事のようなことになってしまいます。
通行チエキ権、取得時効とか民法に似たような規定は他にもあるが、
良い制度だと言ってました。
(‘良い‘というのは
‘世の中は銀行中心でまわっているわけじゃない‘という意味で)
まとを得た説明になってませんが、どう思われますか?
金融期間の一方的な取立てに困っているのは私だけではないと思います。
不動産の価格が下がるのは、付加抗力です。
私たちの個人的な責任としてかたずけ、
自己破産とか債務整理をする前に、今回は、ひとつの方法として、
‘抵当権付き売買‘を考えるべきだというのが結論です。
もう少し勉強しようと思います。不動産関連の方々の更なるご意見を希望します。
■□アドバイス:4
どうも、相談内容を見ていますと、
銀行の取立てに対してのご不満が有る様に感じましたので、
参考にして下さい。
昨年個人版民事再生がスタートしました。
★昨年4月から個人を対象とした民事再生の受付がスタートした。
既に法人については一昨年4月から民事再生がスタートしているが
これでラインアップが整ったことになる。
これまで個人が住宅ローンや車のローンなどで
返済が困難になった場合の法的な打開策としては
業者と任意交渉するか自己破産するかしかなかった
(最近では調停も多用されているが)
ところが任意交渉では業者の言いなりになって
公正証書にされるなどかえって不利な条件になることが多かった。
その点自己破産はすっきりしているが住宅ローンを抱えている場合には
マイームを手放すことを覚悟しなければならなかった。
また会社の役員になっている場合は
一定期間であるが役員をおりる必要があった。
しかしこのたび導入された民事再生によれば
住宅ローン以外の債務については
ケースにもよるが5-9割程度カットして3年で払えばよい。
但し住宅ローンは期間延長はできても
額は変わらない点には注意する必要がある。
最初に毎月の返済金額を決める必要があり
6ヵ月はその金額を再生委員の口座に振り込むことにして
誠実性を確かめてから再生認可となる。
住宅ローンを抱えながら少し贅沢をしたいがために
ついサラ金から借金するに至り金利がかさんで
首が回らなくなった場合はこの制度を利用する意味があるといえよう。
★権利等の制限について
1、個人債務者が民事再生の申立てをした場合には、
基本的には権利の制限はありません。
監督委員がついた場合には、一定の事項については
監督委員の同意が必要となるという制限が加えられますが、
それも再生計画が認可されるまでの間です。
ただし、クレジットカードが使えなくなるなど、
信用がなくなったことによる事実上の不利益は避けられません。
2、破産した場合には、原則として
財産の管理処分権がなくなり、破産管財人に移ります。
また、会社の取締役や弁護士、公認会計士、税理士などは
その資格を失うことになります。警備員や保険の外交員など、
一定の職業についても就くことができなくなります。
この資格制限は、免責の決定を受けるまでの間です。
そのほか、クレジットカードが使えなくなるなどの
事実上の不利益が避けられないことは民事再生の場合と同じです。
カードが使えない期間は7年とか10年とか、
いろいろと言われていますが、法律上の制限はありません。
銀行やカード会社がそれぞれの判断で発行しますので、
一律に何年間使えないということはありません。
3、民事再生の申立ての場合も破産の申立ての場合も、
選挙権がなくなったり、戸籍や住民票に載ったりするようなことはありません。
官報(国が発行している新聞のようなもの)には載りますが、
一般の人が定期購読するようなものではないですし、
毎日たくさんの人のことが載っているので、
知り合いの人に知られることもあまりないと思われます。
所有権や地上権などの明確な権利をもっていれば、
権利者が抵当権者を相手に
任意の金額で競売を申し立てることができるという点については、
実際はあまり意味は無いと思います。
わざわざ、所有権者や地上権者(ほとんどの場合は債務者と同一)が、
自分から競売を申し立てて、処分を早めるなんて事はやらないと思います。
今のところ、借金をチャラにしたいのなら
前述の個人版民事再生を行うのが一番だと思いますよ。
住宅ローン以外の多重債務が有る場合は、
個人版の民事再生をご検討なされたら如何ですか?
今、金融機関が一番恐れている制度です。
私の知っているある方はこの制度を利用して、
借金をあっと言う間に綺麗にして4000万余ったので、
今新しい住宅を建築中です(極端な例ですが)。
良く研究してみて下さい。
(高原開発・涌井さん)

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