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居抜き店舗の現状回復について

■□相談内容 

賃貸で飲食店舗住まいつきを貸して折りまして、
居抜きで店舗のイスやテーブル、皿、厨房設備を売って、
貸しておりました処、賃借人がもともとあった設備 
照明器具やトイレの洗い場、蛇口など使えるものを
勝手に気に食わないので別な物に取り替えて設置していました。

ですが、経営がうまくなかったので、やめることになり、
最初、勝手に付けた物を、居抜きで高く売りつけようとしまして
拗れて却下しましたところ、自分で付けた物は全部持って行くと言われ、
照明器具がなく、蛇口などの配管の勝手に撤去されたのですが、
居抜きで蛇口や照明関係は書いておかなかったが、
現状回復でどう請求すれば良いでしょうか?

また、どういうふうな賃借人が法を犯したことになるのでしょうか。
なお、今月末引渡しになっておりまして対策を教えてください。



□■アドバイス:1

民法606条1項には、賃貸人は賃貸物の
使用・収益必要な修繕をなす義務を負うと規定されています。
しかしながら、賃借人は目的物の性質により定まった用法に従い
使用・収益をなさねばならない義務が有り、
それを故意・過失により毀損した場合には、
むしろ賃貸人は修繕義務を負わないばかりか、保管義務違反や
損害賠償の責任をも問い得ると考えられます。

民法400条には、
保管義務が規定されていて、賃借人は賃借期間中、
賃借物について当然に保管義務を負います。

民法615条には、
賃借人の通知義務事項が規定されていて、
賃借物が修繕を要するにいたる場合は賃貸人に通知を要する。
但し賃貸人がすでにこれを知りたるときは
この限りではないと規定されています。

民法598条(616条、597条Ⅰ)には、
借主は借用物を原状に復して之に付属せしめたる物を収去できる。
となっています。

さて、相談者さんのケースですが、
   
  ○入居時に「居抜き」として売却した物は、当然賃借人の持ち物となります。
  ○「居抜き」以外の設備、照明器具やトイレの洗い場、蛇口などについては、
    使えるものを勝手に気に食わないので別な物に取り替えて設置した
    との事ですから、民法606条1項の賃貸人の修繕義務には
    該当しないと考えられます。
  ○賃借人が、照明器具やトイレの洗い場、蛇口等の修繕をする場合には、
    民法615条の通知義務に該当し、大家である相談者さんに
    通知する必要が あると考えられます。
  ○退去時には、借主が設置した照明器具やトイレの洗い場、蛇口等は原状回復し、
    持って行く事ができると第598条により考えられます。

 まとめると、
  ●賃借人には設備、照明器具やトイレの洗い場、蛇口等を、
    大家である相談者さんに無断で修繕したと言う
    民法615条の通知義務違反があると考えられます。
  ●入居後に付け替えた設備、照明器具やトイレの洗い場、蛇口等は、
    通知義務違反になりますが、賃借人は持っていく事ができると
    民法598条により考えられます。
  ●民法400条の保管義務違反に該当すると考えられ、
    入居時に賃貸物件に存在した設備、照明器具やトイレの洗い場、蛇口等は
    入居時のままで管理・返還されなければならないと考えられます。

以上のとおり、設備、照明器具やトイレの洗い場、蛇口等に関しては、
入居時の状態で戻して頂くと言う事になると思います。
尚、問題が解決するまで敷金や保証金は返還しないようにした方が良いと思います。
(高原開発・涌井さん)



■□相談者より

たいへん良くわかりました、ありがとうございます。
詳しく質問なのですが、照明器具について、
本来、20年前1万のアンティークな物なのですが、
今、同じような物ですと3万ぐらいです。実際、時価はほとんどないと思います。
新たに付けてもらうとき、どれが妥当なのですか?
原状回復の定義を教えてください

また、付属の別の質問なのですが、
店舗入り口に花壇がありまして元々、花が咲いていましたが、
賃借人が管理しないで草が生い茂りました。
挙句に枯葉剤を花壇や井戸の近くに巻いたりしまして、
花壇の土や、井戸の汚染の心配なのですが、
それに伴う請求や注意は大家は賃借人にどう対処すればよかったでしょうか?
貸している以上、枯葉剤を禁止することはできないのでしょうか?


□■アドバイス:2

  >原状回復の定義を教えてください
民法の債権で規定されている原状回復は、
民法598条の借主の付属物収去権に規定されているもので、
借主の権利であると解釈できます。

私達不動産業者も、良く使う言葉ですが
法律用語と不動産用語では、若干意味が変わってしまうと思います。
不動産用語で使う原状回復は、
民法では第400条の保管義務に該当するのではないかと思います。
照明器具や花壇等、その他全ての賃借物に関して、
借主は善良なる管理者の注意を持って管理する必要が有るのです。
基本的に、照明器具や花壇は契約時の状態で返されるべきでしょう。

照明器具や設備は、値段では無く当初付いていた物を
そのまま元に戻していただければ良いだけです。
通常使用した為の経年劣化は大家である相談者さんの負担となります。
もし、借主が大家である相談者さんに「無断」で
捨ててしまったと言う事になりますと、全く問題は変わってきます。
話し合いで、元々有った物に近い物を付けて頂くようにするか、
お金で解決するしか無いと思います。
ところで、設備等の変更時に、事前に相談はなかったのですか?

花壇に除草剤を撒くのは、通常の保管管理義務を守っているとは、
とても思えません。除草剤を撒くと花壇がどのような状態になるのかは、
借主も十分に承知しているはずです。除草剤を撒いてしまったのなら、
花壇の土の入れ替えだけは最低でも交渉しておくべきだと思います。

但し、井戸の汚染の保証と言う事になりますと、
水質調査をして、その汚染原因を特定する必要が有ると思います。
花壇に除草剤を撒くのは明らかに確認できますし非常識ですが、
井戸の汚染は目で確認出来ませんからかなり難しいのではないかと思います。
(高原開発・涌井さん)



■□相談者より

本当にわかりやすく教えて頂きましてありがとうございます。
本で調べたり、しても今まで解らなく困っていましたが、
このサイトに相談することによって解決策を見つけました。
相談に乗ってくれた涌井様、ありがとうございました。
もしもまたなにか相談があった時には
必ずこのサイト相談に来ますので、そのときはよろしくお願いいたします。

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