仮差押について
■□相談内容
保証協会の根抵当権付で物件を安価にて購入します。
抵当権は昭和54年に360万円の設定となっていますが、
甲区に仮差押が平成12年についています。
確かに、現所有者は利息の滞納をしています。
当物件だけであれば話は早いのですが、別物件にて
同一所有者が、保障協会より3000万円の債務があります。
尚、3000万円の債務については、共同担保に当物件は含まれません。
そこで質問ですが、当物件に設定されていない抵当権について、
別物件の債務の仮差押は所有者の承諾なしに可能なのでしょうか?
例えば固定資産税の滞納なんかであれば可能なような気もしますし、
又、通常であれば共同担保の設定を行うと思うのですが、お答えください。
□■アドバイス
仮差押についてですが、
(債権者側の立場として)通常の債権取立の手続きは、
本裁判の提起→証拠調べ→判決→判決確定→強制執行(差押・競売)
の順で進みますが、強制執行をするまで、どうしても時間がかかります。
そのまま放置しておくと、
財産を処分されたり、隠匿される可能性があります。
そこで、本裁判を起こす前に、あらかじめ財産を差し押さえて、
財産の処分を防ぐことが必要になる訳です。
簡単な書面による証拠をつけた申請書類を裁判所に提出すると、
裁判所は書面審査だけで、一定額の保証金を積むことを条件に
仮差押決定をします。この仮差押は、不動産、売掛金、
有体動産(商品、機械など)のすべてについて実施できます。
そのうえで、本裁判を提起し、判決が出された後、
正式に差押え競売することになります。
不動産に担保権が設定されている場合ですが、
不動産に担保権が設定されていても、
これを仮差押えしておけば、仮差押債権者の同意がなければ、
事実上、売却などの処分ができなくなります。
このことから、債権者にしてみれば、仮差押えの取り下げと引き替えに、
売却代金から一定額の回収を図れる可能性もあります。
つまり、仮差押は、所有者の同意が無くても可能と言う事です。
そして、当然、抵当権のついている不動産で有っても
裁判所に申し立てる事は可能です。
この仮差押は、債権を有すると言う事が明白であれば、申請可能です。
売上金の未収、賃金の未払い、貸付金の未払い等、
債権と認められるものは殆ど可能だと思います。
然し、ご相談の場合は、他に担保を取ってあるようですし、
所有権を正式な売買で購入なさる様ですから、
所有権が移動した物件に対して仮差押をする事は出来ないと思います。
(悪意と言いますか、資産の隠蔽工作とか競売妨害にならない場合)
また、抵当権のついている物件の売買についてですが、
民法567条には、
売買の目的物に抵当権が設定されている場合の規定があります。
買主の善意悪意を問わず(抵当権の存在を知っていても)、
抵当権の実行により、買主が所有権を失った場合は、
契約は解除されると共に損害賠償を請求できる。と規定されています。
(高原開発・涌井さん)

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