一方的な土地の買取要請について
相談内容
愛知・40代男性
はじめまして、いつも読ませていただいています。
突然、不動産に関して考えなければならなくなりました。
何らかのアドバイスをいただけると、大変うれしいです。
隣家が売りに出て、土地が更地になりました。
戸境がないので、相手の不動産業者が測定したところ、
我が家の軒下部分が隣家の土地を侵食していることがわかったそうです。
そこで、我が家の軒を取り壊すとなると面倒なため、
土地を購入してほしいと持ちかけられています。
■土地について
・土地は奥行きが同じで、幅が多少異なる同形状の縦長長方形です。
具体的には、35cm×20m=7平米=2.12坪です。
・一路線(主要道路)に面する宅地で、普通商業・併用住宅地区です。
・路線価は、17年115E、16年120E、15年130E(借地権割合50%)で、
評価倍率は「路線」でした。
・ちなみに、近辺(路線価17年120E、16年120E、15年125E)の基準点で、
地価公示価格は、17年143,000、16年159,000、15年166,000)でした。
・登記費用も含めて105万円と、相手の不動産屋さんから、
一方的な提示がありました。
■相談内容について
1.このような場合、買取が一般的なのでしょうか?
それとも、ほかに何かよい方法はないでしょうか?
2.この指定された購入額が妥当なものでしょうか?
ちなみに近辺の土地販売価格を調査したところ、ほぼ同じロケーションで
17年115E、更地の土地が、坪単価45万円で販売されていました。
今回の提示額は、通常の土地販売であれば妥当な額にも思えますが、
状況的にどうも釈然としないものがあります。
しかし、提示額で了解するしかないでしょうか?
3.戸境に関しては向こうの調査結果でしかないのですが、
こちらで調査すると測量費などもかかるため、迷っています。
個人が自分で調査・測量することは可能でしょうか?
以上、ぶしつけな内容ですが、頼る当てもなく質問させていただきました。
どうかよろしくお願いします。
□■アドバイス:1
返答の前に基本的な事をお聞きいたします。
専門家(土地家屋調査士・測量士など)を入れて測量し、
さらに地積更正を行う場合は、実測する土地に接している
全ての土地の所有者の立会いと認印が必要です。
その測量をした専門家からはその様な説明と、
書類への認印を求められましたでしょうか?
また、公道と接している場合は官民境界の確定が必要です。
公道に接している場合は、関連行政からの立会いはあったのでしょうか?
国調(国土調査)は済んでいる土地でしょうか、それとも済んでいませんか?
以上、宜しくお願いします。
(高原開発・涌井秀人さん)
■□相談者より
早々にご返答ありがとうございます。
老齢の母所有の土地であるため、どうも詳細を聞いてもあいまいで、
自分を交えずに話が進んでしまっていたため、あわてています。
■測量・認印について
他2辺の土地とは境標(下図の★)があり、境界に問題はないと聞いてます。
該当の売り更地を専門家が測量した結論を告げられて、新規の境標を2本
(下図の「↑」)を打って、その細長い部分を購入してほしいと認印を求められ、
言われるままに印鑑を押してしまったそうです
(救いは、まだ売買契約ではありません)。
相手は不動産・弁護士・測量士がかんでいますが、こちらは無防備です。
実際には、その土地へはみ出している境壁は「↑↑」間の1/3ぐらいで、その
境壁が傾き、屋根の端や雨どいが右側の「↑」まではみ出している状態です。
┌──┌──┬──★
│所 │ 売│ ┃ ┃
│有 │ り│ ┃ ┃
│地 │ 更│ ┃ ┃
│ │ 地│ ┃ ┃
┗━━┗━━★━━┛ ┗
↑↑
公道
━━━━━━━━━┓ ┏
┃ ┃
■公道接地の関連行政の立会いについて
これは特になかったようです。明日、確認します。
官民境界は上図からも明確ですのですが、確定は必要でしょうか?
■国調(国土調査)について
不明です。明日確認します。
いろいろわからないことばかりです。よろしくお願いします。
□■アドバイス:2
技術的なところは、涌井秀人様の指摘どおりに、
手順を踏んで正確をきしてください。
ところで、土地価格や価値についての私見をお伝えします。
現在お持ちの地積(広さ)が分かりませんが、接道間口が増えるかたちの、
隣接地買収は、100年に1回、チャンスがあるかどうかですね。
既存土地の評価アップや、まさに隣はその不動土地でしかありえない
希少価値から言って、倍額は充分値する値段です。
経済的に多大な負担ならともかく、余裕があれば「買い」です。
都心では、削ると更地に家を建てにくいので、
「出ている部分を壊せ」の方が多いともいえます。
50万円出費して、土地は増えないより、よっぽど将来的に役立つでしょう。
(一級建築士・宅建主任者 中尾正文さん)
■□相談者より
ご返答、アドバイスをありがとうございます。
確かに言われてみればその通りでして、
接道間口が増える形での隣接地買収は、貴重なものだと認識しました。
土地を買わずに出ている部分を壊すのは全く現実的ではなく、
土地購入以上に改築費用が発生し、とても無理な話です。
購入することで前向きに話を進めます。
□■アドバイス:3
ご返答の内容から推察しますと、
・国調の済んでいない土地の実測を行い地積更正登記を行った。
・その結果、隣地に擁壁や屋根がはみ出していることが解り、
買取を請求された。
ということだと思います。
「言われるままに印鑑を押してしまったそうです」は、
推測の域を出ませんが、実測時の境界の確定のための承認印だと思います。
つまり「ここが境界ですよ」ということを認めたことになります。
「官民境界は上図からも明確ですのですが、確定は必要でしょうか?」は、
官民境界の査定は、「実測→地積更正」を行う場合は必ず必要ですが、
隣地立会いと同時とは限りません。貴方が必要なのではなく、
実測をする土地に関して必要になります。正式な手続きを踏んだ実測かどうか
確認したかっただけですから、あまり気にしないで下さい。
「国調(国土調査)について不明です」
国調は国の経費で、その地域全体に光学測量を入れて実測を行い、
地積更正をかけます。登記簿謄本には国調による面積変更が明記されます。
つまり、国調が済んでいれば、登記簿謄本に記載されている面積が
確定された面積であり、実測は必要が無いということになります。
今回の場合はあまり関係が無いと推察されますので、気にしないで良いと思います。
おおよその様子をまとめてみますと
1.相手の実測は正規な手続きを踏んだ実測と思われる。
2.貴方のお母さんの家は実測の結果、隣地にはみ出している事が確実。
3.相手は登記費用も含めて105万円で購入して欲しいと言ってきている。
ということになります。
私見を述べますと、それ程酷い要求とは思いません。唯一不明なのは、登記費用です。
この登記は売買予定地の分筆費用の事ではないかと思います
(所有権移転登記費用や不動産取得税は別途必要になると思います)。
通常は、分筆費用はケースバイケースですが、最低でも16万円程度は必要であり
(高い場合は30万円の場合もあります)、この費用は売主が負担するのが一般的です。
もし、交渉の余地があるとしたら、この分筆の登記費用を売主負担にして頂くことです。
つまり、75万円~90万円に値切る…という感じです。
私であれば、
・登記費用が分筆登記のことであれば、75万円に値下げしたら、すぐ買う。
・90万円に値下げしたら渋々買う。
ということになります。根気良く値切り交渉しましょう。
なお、隣地にはみ出している部分については今の時点では、
それ程気にする必要は無いと思います。もめて、相手が法的手段に訴える
と言いだすまでは、勝手に取り壊すことはできません。
もし、相手が勝手に取り壊しをしてくれたら、それこそ「しめしめ、儲かった」
ということになりますので、提訴しちゃいましょう。
値引きしたら購入するということですし、面積も7平米ですから、
値引交渉の過程で、相手も訴訟してまで問題を大きくしないと思います。
(高原開発・涌井秀人さん)
■□相談者より
ご返答ありがとうございます。急遽、今日、夕方に先方の測量士と話ができました。
ご推察いただいたとおりで、母が境界立会図を確認したことになっていました。
測量士に詳細説明を求めたところ、
近辺の一角を調査した図面を元に、該当区画を慎重に調査して、
官民ラインの特定と共に、数箇所あった境標をベースに
対象区画の隣家との境界を割り出した結果、今回のような越境が判明したということ
を誠意を持って説明していただき、登記簿の当方所有面積と見比べても
納得できる内容でした。
(実は、先方の土地全体は2世代前に当方から分筆した土地であって、
当方の登記簿に分筆時の面積が載っていました。
昔は分筆もかなりいい加減だったようです)
あとは土地代金・登記費用等ですが、仲介(先方の売先)の不動産屋さんから、
以下のとおり、\1,072,485になるといわれました。
・土地代金 : \900,000(2.31坪)
・分筆登記費用: \ 50,000
・登記費用 : \ 72,485(面倒見てくれるそうです)
・立会手数料 : \ 50,000
分筆費用は先方が持つのではないかと問い合わせたところ、
「越境しているから分筆が必要になったわけであって、
売主負担などとんでもない。買主(当方)がもって当たり前」
と請合ってもらえませんでした。
こちらの説明が悪かったのかもしれません。この金額でも、かなりしぶしぶですが、
了解するしかないかな…と母と話しています(月曜日に最終調整することになりました)。
無料でのご相談にもかかわらず、ご丁寧にご返答いただき、感謝しております。
今後も悩める人の救い手としてご活躍ください。

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