他人物売買について
相談内容 他人物売買について
東京・20代男性
ぜひ、プロのご意見をお聞かせください。
実際に今、困っている事例です。
■概略「A(売主)→B(買主1)→C(買主2)」
1.AとBとの間で20億円の不動産の売買契約を締結し、
契約時に手付金2億円をAに支払う約束です。
2.しかし、Bは資金繰りの関係上、Aとの売買契約日の前に、
Cとの他人物売買を締結し、CからBへの手付金をAに支払うような
スキームを組みたいと考えています。
3.ただ、Cにとっては、Bへ支払う手付け金の保全が図れないため、
とても不安です(Bが上場会社等であれば、また話は別ですが、
今回のBは多少、信用不安があります)。
4.AB間との決済はAC間との同時決済として処理しようと考えています。
Cが一番気にしているのは、Bに手付けを預けた後、Bが破産することです。
そこで、専門家にお聞きしたいのですが、
どうやって、CからBへの保全を図ればいいでしょうか?
いいアイデアがあったり、実際の経験がある方がいらっしゃいましたら、
ぜひ、ご意見をおきかせください。
□■アドバイス:1
このような売買のことを中間省略と言いますが、
今では、このように中間の買い主Bの登記を省略して、
AからCに所有権を移転することはできなくなりました。
BはAから20億円で買い取り、30億円でCに売って、10億円の利益を得たいと、
Bは思うでしょうが、今の登記制度は、AからBへの移転登記をしたあとでないと、
BからCへの移転登記を行うことができません。
Bを表に出さずに、AからCへの所有権移転を行うには、
AがCに売ったことを証明する登記原因証明情報に
双方の署名捺印をしなければなりませんので、
不可能ではないでしょうか。
※登記原因証明情報についての参考サイト
「司法書士の登記実務Q&A、不動産登記入門」さん
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/2418/
内の下記ページ
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/2418/aa/sss.html
あなたがBの立場であれば、先にCとの売買契約を交し、手付け金をもらい、
Aとの契約にはその手付け金を利用します。
ただし、Cが登記簿を見て、所有者でもないBと売買契約を行えば…の話しです。
Cとしては、担保するものがなければ、持ち逃げされる不安があるかもしれません。
そこで、Cは手付け金をB名義の銀行口座に振り込み、その通帳と印鑑を預かれば、
不安はなくなりますが、それでは、Bが使うつもりだったCからの手付け金が
使えなくなりますので、結局、Aとの契約には自己資金が必要になります。
(ハマ不動産/ハマ総合企画・小野さん)
□■アドバイス:2
登記の中間省略については既に小野さんの説明がありますので、
契約の締結についてだけの私的な意見ですが、以下にまとめます。
「AB間との決済はAC間との同時決済として処理しようと考えています」
ということであれば、契約自体も同時契約としたらいかがですか?
同時引渡・残金精算が可能な関係であれば、
契約の同時締結も不可能とは思われないのですが…。
また、Bが不動産業者で仲介料より利益を出したいとか、
Bが不動産業者ではない場合で利益を確保したい目的だけであれば、
何も売買を行わなくても、コンサル料・紹介料・広告宣伝費・建物解体工事・
造成工事・近隣対策費・建物建設工事・リフォーム工事等の
別面目の仕事にして、Bの利益相当額金額を確保する方法もあると思います。
これは、売買契約とは別にCとBの間で、
それぞれに該当する契約書を作成すれば良いでしょう。
A→B間で予定していた売値で、A→C間の直接売買契約を行い、
B→C間の売買で予想される利益を、別に上記の様な契約書を作成して、
利益を確保すれば良いだけです。
(高原開発・涌井さん)
□■アドバイス:3
俗に言う中間省略登記が可能か否かについては、
B買主としての権利をCに譲渡する考え方をすれば、
A→B→Cは可能であり、OKと考えます。
問題は 手付金の保全にあると考えます。
契約・手付金授受・決済・引渡し・登記の流れの中で、
Bに現金が渡らない方法を選択することではないでしょうか?
(マルケイ・門田さん)
□■アドバイス:4
昨日は時間が無かったのですが、再度、詳しいアドバイスを致します。
他人物売買については、
既にご存知だと思いますが、民法560条に規定されており、
他人の物を売買する契約も有効な契約であるとなっています。
※参考条文
第560条 他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、
その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
但し、宅建業法では、
宅地建物取引業者が他人物を売ることを原則的に禁止する
という規制があります。これは一般消費者を保護するための措置であります
(宅地建物取引業法第33条の2)。
例外としては、
「他人物を確実に取得できるという別の契約、または予約があるとき」には、
他人物の売買契約、または予約を締結してよいことになっています
(法第33条の2第1号)。
また、換地処分の公告以前の「保留地予定地」については、
宅地建物取引業者が一般消費者へ転売することが許されております
(施行規則第15条の6第3号)。
さらに、この「他人物売買の制限」(法第33条の2)は、
消費者を保護するための規定であり、
宅地建物取引業者どうしの売買については、
他人物であっても制限なしに売買することができることになっています
(法第78条第2項)。
手付金の保全については、銀行振り出しの預手を横線で、
かつ受取人指定にしたら良いと思います。
Aを受取人に指定した指図式小切手を手付金としたら、いかがでしょうか?
Bが手付金で若干の差益を出すようであれば、Aにいく手付金については、
Aを受取人に指定し、Bの差益については、Bを受取人にしておいて、
横線の預手を振り出して、手付金としておけば良いでしょう。
それであれば、BはAへ支払う手付金分については、
自分で使い込むことは不可能となります。
(高原開発・涌井さん)
■□相談者より
この小切手の利用であれば、Bの使い込みのリスクはなくなりますね。
知恵のつまったアドバイスありがとうございました。
大変参考になるご意見でした。
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Posted on 6月 26, 2008 ●資産→ローン・売却・買い替え | Permalink
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