違反建築物売却の責任について
相談内容 違反建築物売却の責任について
東京・40代男性
3ヶ月ほど前に、大手不動産会社の仲介で、建売中古住宅を購入しました。
しかし、入居後に、軽量鉄骨造であるべきなのに木造で、
違反建築物だということが判明しました。
そこで、不動産会社に「これは告知事項ではないのか?と談判し、
手数料返還の打診を受けているところです。
担当者は、自分が気づかなかったことを詫びて、
色々と手をつくしてくださったと思いますが、聞くところによると、
●売主(個人)は、木造であることは知っていた
とのことでした。
他意はなかったかもしれませんが、ちゃんと聞いていれば、
購入を控えたか、購入したとしても、もっと価格交渉をしていたのは間違いありません。
また、どんな建て方をされているのか不安に陥って、
今ごろまでゴタゴタすることもなかったわけです。
このような場合、売主は個人ですが、瑕疵担保責任を追求し、
損害賠償などを請求することができるのでしょうか?
可能な場合、請求金額の相場というのはどれくらいなのでしょうか?
アドバイス、よろしくお願いいたします。
□■アドバイス:1
おはようございます。
「軽量鉄骨造であるべきなのに木造で、違反建築物だということが判明」
との事情が良く分かりません。
軽量鉄骨を木造であると、説明を誤ったのですか?
それとも、当該建物が建築上の法令制限に違反しているのですか?
説明を誤ったというのは、通常、
重要事項説明において、建物の登記簿謄本(全部事項証明書)、
建築確認の副本などが説明されるので、考えにくいです。
もう少し詳しくお話いただければ、と思います。
違反建築物ということであれば、どのような違反なのか、
こちらももう少し詳しいお話しが必要です。
(北杜宅建センター・萩原さん)
□■アドバイス:2
私見ですが、萩原さんの仰る通り、通常は考えられないことですが、
建物が未登記の中古物件の場合は、ありうることだとは思います。
売主が承知の上で、仲介業者に嘘の説明をして契約を締結し、
引渡し後に建物の謄本ができあがってきたら、
木造になっていたということになるのでしょうか?
単純に売主が嘘をついて売却した場合と仮定しますと、
これは瑕疵担保責任とは別に考えるべきでしょう。
相談内容を読む限り、民法の詐欺による契約というべきだと思われます。
1.売主に、貴方をだまして契約をするという意思があること
2.実際にだまそうとする行為があったこと
3.その行為によって貴方が錯誤に陥ったこと
4.その結果として、契約締結に至ったこと
という4つの要件をみたしている可能性は充分にあるのではないかと思います。
詐欺による契約の場合は、契約自体を取り消すことが可能ということになりますので、
仲介業者を味方につけて、契約の取消しとその契約取消しに伴う損害賠償の請求を
念頭に置いた上で、売主と交渉すべきだと思います。
契約の取消しを要求せず、損害賠償を請求する場合は、
基本的には実損額であるべきですから、木造と軽量の差による実損を検討して、
客観的に説得力のある数字にすべきだと思います。
■参考条文(詐欺又は強迫)
第九十六条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合
においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、そ
の意思表示を取り消すことができる。
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の
第三者に対抗することができない。
(高原開発・涌井さん)
■□相談者より
涌井様、萩原様、早速のアドバイス、ありがとうございました。
ありえないことだと思っていたので、疑わなかったのですが、
確認申請も謄本も鉄骨造になっているにもかかわらず、実物は木造なのです。
購入後にちょっとした工事をする際、業者さんや建築士さんがかかわり、
問題が発覚しました。
最初にこの住宅を建てた建売業者が一番悪いと思いますが、
私共にとっての売主ではないので、今回は相手にはならないですよね。
今回の売主も、推測ですが、故意で言わなかったというよりは、
問題視するレベルの違いと思われますが、こちらにとっては大きな問題なのです。
購入前に依頼して、小屋裏などを確認してもらえばよかったと後悔しております。
それ以外の点、家そのものは気に入っているので、故に、さらに残念というか、
落胆度合いも激しいです。
嘘の申請で構造計算(3階建て)などがされているわけですから、
耐震性に特に不安を感じまして、手数料も戻りそうなので、
これは手出しで調査をすることにしております。
本当は、慰謝料相当の請求をしたいところですが、上記の調査で、
万が一、補修等が必要となった場合に、せめてその費用くらいは
売主に支払ってもらいたいと思い、今回、こちらに相談いたしました。
一般的な瑕疵責任の期間は過ぎてしまっているのですが、
民法上でのやり取りになりそうなので、
期限においても、可能性においても、問題ないように思われます。
今後どう動くかは、まだ、決めかねますが、
今回のアドバイスを参考にさせていただきます。
ご丁寧にありがとうございました。
□■アドバイス:3
もし、
●確認申請も謄本も鉄骨造になっているにもかかわらず、実物は木造
ということが事実だとすると、当時の土地家屋調査士が
建物の表示・保存の時の調査方法がずさんであった可能性もありますし、
それ以前の検査済み証の発行時点で問題があったとも思います。
ところで、軽量鉄骨で一部木造にすることは良くあります。
極端な話ですが、主な柱だけを軽量鉄骨にして、
その他の柱や梁は木にすることもあります。この時の使用比率にもよりますが、
構造は軽量鉄骨と表示することもあります。その点はご確認されたのでしょうか?
もし、確認済みであれば、とりあえずは、「錯誤」ということで、
登記簿の構造を木造に変更され、固定資産税の還付請求をされた方が宜しいかと思います。
このようなことが実際に起った場合に、誰に対してどのような請求が可能かは、
ちょっとすぐには思い浮かばないのですが、検査済証を発行した当時の建築主事に
一番問題があるような気がします。
売主が事業者であり、かつ構造が違うことを知っていた場合は、
それは詐欺による契約であるということになるのでしょうが、
今回の売主は素人で、かつ悪意は無かったということになりますと、
これは交渉により解決するしかないかも知れません。
3階建てということになりますと、実際にかなり不安だとは思います。
今では木造3階建てもありますが、おそらく、その建物を建てた当時は、
木造3階建ては建てられなかったので、軽量鉄骨ということで確認を取ったとも考えられます。
その場合、最初に建てた人は承知して違法建築を行ったということになるので、
一番最初に建てた人まで責任を追及することも可能かも知れません。
通常は考えられないことなので、交渉により満足のいく結果が得られない場合は、
弁護士等の専門家にご相談された方が宜しいかと思います。
(高原開発・涌井さん)
■□相談者より
涌井様、再度の返信、ありがとうございます。
気ばかりいらだって、説明不足の点が多かったかと思います。
これは知らされておりましたが、検査済証も副本原本もありません。
なので、それなりの違反はあること覚悟していましたが、
構造そのものが違うことまでは、考えがおよびませんでした。
それから、登記簿の件は、涌井さんがおっしゃる「ものすごく極端な話」
に近い状態かもしれません。
主な柱(通し柱)ではない、業者さんや一級建築士さんに言わせると、
「使用した意図がわからない」という部分に、各フロア、数本ほど鉄骨が入っています。
あとは全て木なので、圧倒的に木の割合が高く、確認申請上では木造と言うべき建物です。
ものすごく極端な話、1本でも入っていればどうにかできるということで、
建てた建築業者がとった手段と思えます
(家屋調査士さんに、そこまでの権限や責任は負わせられないのでしょう)。
この建物が軽量鉄骨であるべき…というのは、用途地域の問題です。
建物は数年前築で、既に木造3階建ては普及していますので、
工法はそれなりに確立されているでしょうから、とりあえず、今は、
調査において悪い結果が出ないことを信じるばかりです。
あと、転勤族なので、今後転売する可能性がないではなく、
その時のことも心配の種ですが、これも売らなくていいことを祈るばかりです。
□■アドバイス:4
私見ですが、そういうことになりますと難しい問題ですね。
用途地域の問題もあり、最低限の鉄骨の使用により、
ぎりぎりで便宜上、軽量鉄骨造にしたということかも知れません。
その様な施工で、本当に軽量鉄骨造と言えるかどうかは
甚だ疑問のあるところなのですが、表示保存登記がされたのは事実です。
土地家屋調査士も壁を剥がして、構造材まで確認する訳ではないようです。
外観を目視で確認して、後は確認申請書によって建物の表示保存登記を行うようです。
数年前の建築で、木造3階建てが普及してからということですと、
構造的には多分、大丈夫かなぁ…とも思います。
構造的に問題が無いようであれば、仲介業者を含めて、
売主に木造と軽量鉄骨の差額について、返還請求の交渉を行うのが良いかも知れません。
(高原開発・涌井さん)
■□相談者より
こんはんは。
今のところ、私共は妥当な線で検討しているようなので、ホッとしました。
何度も、また、詳しくご回答いただき、ありがとうございました。

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