耐震偽装物件に関する補償について
相談内容 耐震偽装物件に関する補償について
東京・40代女性
昨今話題の姉歯物件に大当りしてしまいました。3年前に購入の物件です。
売主は、当時の販売価格から原価償却を引いた相当額での買取に応じ、
今月、退去の予定です。
しかしながら、損害賠償・慰謝料等の相当分が加味されていないようです。
例えば、地価にしても、当初より相当額の値上がりがあり、
当方としては何の問題も無ければ、損失は無かったはずです。
また、このことにより、住民は引越をしなければいけないし
(引越費用は自腹です)、新居に移ることにより生活の基盤も大きく変り、
通勤時間の延長など、精神的な負担が数々発生します。
引越を控え、やらなくても良いことをやらなければいけない
という精神的なストレスでノイローゼになりそうです。
果して、買い取って貰えただけでもありがたいと思うのか、
それとも、可能ならこの精神的な苦痛を損害賠償、
または慰謝料として請求すべきなのか、とても悩んでおります。
良いアドバイスが頂けたら…と、すがる思いで相談させて頂きました。
よろしくお願します。
□■アドバイス:1
最初に、姉歯元建築士による耐震偽装問題につきましては、
不動産業界も巻き込んだ大変な事件となってしまい、
その被害者となられた方には同情の念を禁じえないと共に、
同業者として、まずもって謝罪申し上げます。
相談についての私見ですが、実際に支払い能力があるかどうかは別問題として、
当然、売主の業者や建築士に対して、相当の損害賠償を請求するべきだと思います。
さらには、関係監督官庁や行政に対して、行政訴訟を提訴することも
念頭におくべきかとも思いますが、行政訴訟の場合は、
かなり有能な弁護士に依頼する必要があるでしょう。
買い取り価格につきましては、通常は相場価格であるべきだとは思いますが、
実際には交渉によるものですから、相場価格自体がはっきり出るかどうかも
難しい点があります。国税庁の路線化図を参考にされるのも宜しいかと思います。
引越し費用については請求可能だと思いますが、生活基盤の変更については、
その根拠についての証拠提出が難しいのではないかと思います。
精神的苦痛に関しましては、実際の治療費や薬品代を請求するのは可能だと
思います。それ以外については、他の被害者と横並びであるべきでしょう。
大変なこととは思いますが、やはり住民の全員が同等の補償を受けるべきだと
思いますので、個人的な交渉よりも、住民全体の意見として弁護士等を通じて
交渉される方が宜しいかと思います。
買い取ってもらえるだけ有り難いということにはなりませんが、
そのマンションの住民は等しく補償されてしかるべきですから、
損害賠償や慰謝料等の請求につきましても、
基本的には等しく補償されることを考えることが宜しいかと思います。
業者に対しては、引越し費用の一律負担と買取価格の増額を、
他の被害者の方と協力して弁護士を通じて請求されてはいかがでしょうか?
行政訴訟につきましては、その分野を得意とする有能な弁護士に依頼すべきでしょう。
とにかく危険な建物から退去することが一番大切なことですから、
もし交渉が長引く様であれば、取り合えず、補償の一部として先方の示した金額を
受領しておき、示談に応じたということにしておかない方法もあるかと思います。
今回の件につきましては、業者に対してだけではなく、
行政訴訟も可能かも知れませんので、
有能な弁護士にご相談されることをお薦め致します。
(高原開発・涌井さん)
■□相談者より
親切な回答ありがとうございました。
やはり、共同住宅という特異性から、個人の交渉は難しいようですね。
実際問題、管理組合としても、弁護士を云々…と、
はじめは息巻いておりましたが、度重なる集会に皆、辟易し、
また費用もかかると言うことで、早々の決着をつけるに至ってしまいました。
先日、ヒューザー絡みのマンション住民が、検査機関である行政を相手取り、
損害賠償の訴訟を起こしたというニュースを見て、「よくやってくれた」と、
拍手を贈りました。私共のマンションの組合も、もう少し団結力があればなぁ…と、
少しばかり羨ましく思います。この先、買取の契約が締結すれば、
組合も解散になるので、余計に訴訟は難しいでしょうね。残念です。
□■アドバイス:2
私見ですが、マンションの住民の総意としてというのは、
何も全員で何回も会合を持つことが必要ということではありません。
どんな会議でもそうなのですが、
●組合長→理事会→役員会→総会
(総会は、一定数の参加人数と一定数の賛成によって可決する)
のように、ある程度は決定機関に委ねなければ、まとまらないと思います。
組合がまとまらないという理由が不明なのですが、早急に組合組織の
建て直しをはかられ、ある程度は役員会等に一任する必要もあると思います。
また、住民の意見を吸い上げるには、
●隣組における話し合い(5~10軒を1つとする)
→役員会(各組長の集り)
→理事会(例えば歴代管理組合長等の有識者の集り)
という、最小単位からの意見が上がってくる流れを作っておくべきだと思います。
これは、マンションであっても、地域集合体であっても同じでしょう。
これらの組合等の組織作りをしっかりしてから、
諸問題に対しての対応を行う必要があると思います。
(高原開発・涌井さん)
■□相談者より
何度もありがとうございます。組合がまとまらない理由として、
「もう先方と関わりたくないので、早期解決をしたい」
という考えからで、そのため、買取という方向に至った訳です。
とりあえず、ローンの残金分は買取の金額に加味されているため、
二重ローンになったりはしないので、その条件で、泣き寝入りした形になりました。
あまりにも、唐突な話で、しかも耐震強度は0.5以上なので、
行政の支援もないままの放置状態の中での解決方法でした。
そのため、悔いが残ります。
今月中に登記を白紙に戻すため、管理組合は、おそらく解散になると思います。
もう少し早く相談していれば、ご指摘いただきました示談書の提出を求めて、
売買金の振込み後に、賠償について戦う方法が取れたかと思うと、
残念で仕方ありません。
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Posted on 10月 22, 2008 ●買う→欠陥住宅 | Permalink
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